PR

ILSAC規格とは?エンジンオイル選びで知っておきたい性能基準

整備士がエンジンオイル缶のILSAC GF-7表示とAPI SQマークを確認する整備工場の場面 自動車
スポンサーリンク

2025年3月に導入されたILSAC GF-7は、ガソリン車向けエンジンオイルの最新性能規格で、API SQと対応する形で省燃費性やエンジン保護性能の向上を目指した基準です。

エンジンオイルを選ぶとき、「0W-20だから燃費が良い」「高価なオイルだから安心」と考えていませんか?

実は、オイル選びで重要なのは粘度だけではありません。

現代のエンジンは、燃費性能や排出ガス性能を高めるために、より細かな設計になっています。

そのため、オイルにも時代に合わせた性能基準が必要になりました。

その代表がILSAC規格です。

この記事では、現役ディーラー整備士の視点から、2025年3月に導入されたILSAC GF-7とは何なのか、API SQとの関係、GF-6からの変化、そして実際のオイル選びで注意すべきポイントを分かりやすく解説します。

スポンサーリンク

ILSAC GF-7とは?2025年3月に導入された最新オイル規格

ILSAC GF-7とは、2025年3月から導入されたガソリンエンジン用エンジンオイルの最新性能規格です。

API SQ規格と対応する形で登場し、近年の低燃費エンジンやハイブリッド車、小排気量ターボエンジンなどに求められる性能を評価する基準になっています。

ILSACは「International Lubricant Standardization and Approval Committee」の略称です。

日本語では国際潤滑油規格諮問委員会などと表記されますが、一般的な意味での世界共通規格というより、日本自動車工業会(JAMA)や米国自動車メーカーなど、自動車業界の団体が関わる北米市場を中心としたガソリン車向けオイル規格です。

API(米国石油協会)やASTM(米国材料試験協会)などとも連携しながら、エンジンオイルに必要な性能評価が行われています。

簡単に言うと、ILSAC GF-7は「最新のガソリンエンジンを効率よく、長く使うために必要なオイル性能を確認する基準」です。

近年の車では、エンジンは以前より小型化されています。

さらにターボチャージャーやハイブリッドシステムの採用によって、燃費性能と出力を両立する設計が増えました。

その一方で、エンジン内部ではオイルに対する要求も高くなっています。

求められる性能には、次のようなものがあります。

  • 摩擦を減らして燃費悪化を抑える性能
  • 高温状態でも部品を守る油膜性能
  • エンジン内部の汚れを防ぐ清浄性能
  • 長期間使用しても性能を維持する能力
  • 排出ガス浄化装置への影響を抑える性能

つまりGF-7は、単純に「燃費を良くするための規格」ではありません。

燃費性能とエンジン保護を両立するための、新しい時代のオイル基準だと言えます。


スポンサーリンク

ILSAC GF-7導入の背景とは?GF-6から何が変わった?

ILSAC規格は、自動車技術の進化に合わせて更新されてきました。

エンジンの性能が向上するほど、オイルにはより高い保護性能や環境対応性能が必要になったためです。

主な流れを見ると、次のようになります。

規格 導入時期 主な特徴
GF-3 2001年 省燃費性能や排出ガス対策を強化
GF-4 2004年 清浄性能や耐久性能を向上
GF-5 2010年 燃費性能、触媒保護性能を強化
GF-6 2020年 LSPI対策、タイミングチェーン保護などに対応
GF-7 2025年 最新エンジン向け性能要求へ対応

特に大きな変化があったのはGF-6です。

2020年に導入されたGF-6では、LSPI(Low Speed Pre-Ignition)への対応が注目されました。

LSPIとは、低回転・高負荷状態などで、通常の点火タイミングより前に燃焼が起こる異常燃焼現象です。

近年増えている小排気量ターボエンジンでは、低回転から大きな力を出す設計が採用されています。

そのため、エンジン内部への負担を考えたオイル性能が重要になりました。

GF-7では、こうした流れを引き継ぎながら、さらに現代のエンジン環境に合わせた性能評価が行われています。

私が整備現場で感じるのは、オイル規格の進化は「高性能な車を作るため」だけではないということです。

燃費を良くしながら、エンジンを長く安心して使うための裏側で、オイル技術も進化しているんです。

※画像はAIによるイメージ

スポンサーリンク

ILSAC GF-7では何が強化された?注目される性能ポイント

ILSAC GF-7では、現代の車に合わせた複数の性能向上が期待されています。

ただし、規格変更によって「すべての性能が劇的に変わる」という意味ではありません。

オイルメーカーが新しい要求性能を満たすため、さまざまな試験項目で評価される点が重要です。

主な注目ポイントは以下の通りです。

  • 省燃費性能の向上
  • エンジン内部の清浄性向上
  • 使用中の性能維持
  • 最新エンジン技術への対応

特に注目したいのが、低粘度オイルとの関係です。

現在の車では、0W-20や0W-16といった低粘度オイルを指定するモデルが増えています。

低粘度オイルは、エンジン内部の抵抗を減らし、燃費向上に貢献します。

しかし、オイルが柔らかくなるほど、部品を守る油膜性能とのバランスが重要になります。

そのため、単純に「柔らかいオイルほど良い」という考え方は正しくありません。

メーカーはエンジン設計に合わせて、必要な性能と粘度を設定しています。

整備士としてオイル交換の相談を受けるときも、まず確認するのは「最新規格かどうか」ではありません。

車種、年式、メーカー指定、使用環境を見ることから始めます。


スポンサーリンク

API SQとILSAC GF-7の違いとは?役割を整理

エンジンオイルを調べていると、API SQ、ILSAC GF-7、SAE 0W-20など、さまざまな表示が出てきます。

これらは似ていますが、意味は異なります。

整理すると以下のようになります。

  • API規格:エンジンオイル全体の性能基準
  • ILSAC規格:主にガソリン車向けで、省燃費性能なども重視した性能基準
  • SAE粘度規格:オイルの硬さや流動性を示す基準

例えば、オイル缶に「0W-20」と書かれている場合、それは粘度を示しています。

一方、「API SQ」「ILSAC GF-7」は性能規格です。

API SQとILSAC GF-7は別々の規格ですが、2025年以降の最新ガソリンエンジンオイルでは対応する関係になっています。

つまり、オイル選びでは「数字が多くて難しい」と感じる必要はありません。

見る順番を決めれば大丈夫です。

1. 車のメーカー指定を確認する
2. 指定された粘度を確認する
3. 必要な性能規格を確認する

この順番で見ると、間違ったオイル選びを防ぎやすくなります。

※画像はAIによるイメージ

スポンサーリンク

整備士が見るオイル選びのポイントとは?GF-7だけで判断しない理由

ILSAC GF-7が登場すると、「最新規格だから交換時はGF-7を選べばいい」と考える人もいるかもしれません。

しかし、整備士目線では少し注意が必要です。

大切なのは、最新かどうかよりも、その車に合っているかです。

ディーラーでオイル交換の相談を受ける場合、私が確認したいポイントは次のような部分です。

  • 車種とエンジン型式
  • メーカー指定粘度
  • 指定されているオイル規格
  • 走行距離
  • 使用環境

例えば、短距離走行が多い車では、エンジン始動直後の保護性能が重要になります。

一方、高速道路を長時間走る車では、高温状態で性能を維持できることが大切です。

ハイブリッド車の場合は、エンジン停止と始動を繰り返します。

そのため、一般的なガソリン車とは違った負担がかかります。

また、走行距離が多い車では、単純に新しい規格へ変更するより、現在のエンジン状態を見ることも重要です。

私自身、整備現場で感じるのは、オイル交換は「部品交換」ではなく「車の状態を確認する時間」でもあるということです。

エンジン音、オイル消費、使用状況などを見ることで、その車に合ったメンテナンスにつながります。


スポンサーリンク

ILSAC GF-7普及で今後のオイル選びはどう変わる?

ILSAC GF-7の登場によって、今後は最新車向けオイルの基準として少しずつ普及していくと考えられます。

特に新型車では、燃費性能や環境性能を重視したエンジン設計が続いています。

そのため、エンジンオイルにも高い性能が求められる流れは続くでしょう。

一方で、すべての車がすぐGF-7へ切り替わるわけではありません。

古い車では、当時メーカーが指定した規格や粘度が重要になる場合があります。

ここを間違えると、「新しいから良い」という判断だけでは車本来の性能を発揮できない可能性があります。

筆者としては、GF-7の一番大きな意味は「オイル交換の考え方を変えるきっかけになること」だと考えています。

以前は「何リットル入れるか」「何番のオイルか」だけを見る人も多くいました。

しかし現在は、車の設計思想に合わせた性能選びがより重要になっています。

愛車に合ったオイルを選ぶことは、結果的に長く安心して乗ることにつながります。


スポンサーリンク

まとめ:ILSAC GF-7は現代エンジンを支える新しい基準

ILSAC GF-7とは、2025年3月に導入されたガソリンエンジン用エンジンオイルの最新性能規格です。

API SQと対応する形で登場し、省燃費性能や清浄性能、最新エンジンへの対応が重視されています。

ただし、オイル選びで最も大切なのは「一番新しい規格を選ぶこと」ではありません。

メーカー指定、粘度、車の使用環境を確認し、自分の愛車に合ったオイルを選ぶことが重要です。

エンジンオイルは見えない場所で働く、車の大切なモノのひとつです。

規格の意味を知ることで、オイル交換はもっと納得できるメンテナンスになります。


スポンサーリンク

よくある質問

ILSAC GF-7はGF-6より必ず優れていますか?

GF-7は新しい要求に対応した規格ですが、すべての車に必要という意味ではありません。

車両メーカーが指定する規格を優先することが大切です。

API SQとILSAC GF-7は同じ意味ですか?

同じではありません。

APIはエンジンオイル全体の性能基準、ILSACは主にガソリン車向けで省燃費性能などを重視した基準です。

古い車にGF-7オイルを入れても問題ありませんか?

車種によって異なります。

最新規格だから適しているとは限らないため、メーカー指定の規格や粘度を確認してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました